フォントライセンスの完全ガイド.

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フォントライセンスとは?
ライセンスはフォントにおいて華やかさに欠ける側面かもしれませんが、すべてのフォントファイルは知的財産として保護を受ける権利を持っており、プロジェクトに適したフォントを選ぶことと同じくらい重要です。
フォントライセンスとは、フォントファイルの使用を規定する法的な契約を指します。フォントファウンダリは、フォントの使用条件を明確に定めたライセンス契約を作成しており、通常、以下のような内容が含まれます。
- フォントをインストールして使用できるユーザー数
- 許可されているインストールおよび使用方法(例:PC、Webサイト、PDFなど)
- フォントの再配布や他者との共有の可否
- フォントファイルの変更・改変の許可
- 個人利用もしくは商用利用の可否
- ライセンス契約の期間(永続的か有効期限つきか、更新や追加料金の有無など)
これらの仕様を理解することは、デザインプロジェクトでフォントを適切に使用し、法的トラブルを回避するために不可欠です。
フォントライセンスは必要ですか?
あなたがデザイナー、マーケター、その他のフォントを扱う専門家であれば、その仕事にはフォントライセンスの取得がほぼ確実に必要です。フォントはソフトウェアであるため、フォントを購入したりインストールしたりする際には、作成者が定めた条件に従ってフォントを使用するライセンスを同時に取得する必要があります。
フォントは数か月(あるいは数年)もかけて丹念に描かれ、多様な用途で完璧に機能するように設計されています。フォントライセンスは、こうした制作者が努力に見合った報酬を得られるよう保証するために存在します。ライセンスを取得すると、個人利用であっても商業利用であっても、そのフォントをデザインに組み込むことが法的に許可されます。ここでフォント管理が極めて重要になります。
フォントライセンスは、フォントファウンダリ、制作者、または配布元によって内容が異なることに注意が必要です。一部のフォントは無料で入手できる場合や、無制限の使用、変更、配布が可能なオープンソースライセンスで入手できる場合があります。しかし、無料フォントには大きな欠点が伴うことがあります。たとえ信頼できる配布元であっても、オープンソースフォントはいつでも変更または削除される可能性があります。品質や一貫性を確認せずにフォントを改変するライブラリもあり、例えば字間やカーニングが変更されれば、そのフォントを使用しているページやアプリが正しく表示されなくなるおそれがあります。こうしたリスクを避けるため、多くのクリエイターは実績のあるファウンダリやフォント制作者からフォントを購入することを選んでいます。
プロフェッショナル向けのフォントには、それぞれ専用のライセンス条件が適用されます。フォントを購入する際は、自分の用途に適したライセンスが含まれているかを必ず確認しましょう。フォントの使用を規定するフォントライセンスにはさまざまな種類があります。次に、その中でも代表的なものを見ていきましょう。

般的なフォントライセンスの種類とは?
フォントライセンスは、フォントの使用、改変、配布に関する条件と制限を定めています。以下は、よく見られる代表的なライセンスです。
オープンフォントライセンス.
多くのオープンソースフォントには、SIL Open Font License(OFL)が適用されています。これは、ユーザーが目的を問わずフォントを自由に使用、改変、配布できるライセンスで、通常は無料です。改変したフォントも、同じオープンソースライセンスの下で再配布することが規定されている場合があります。
Webフォントライセンス.
Webフォントは、WebサイトやWebアプリケーションでの使用に特化したライセンスです。このライセンスを取得すると、ユーザーはCSSを使用してフォントをWebページに埋め込むことができ、さまざまなブラウザやデバイスで適切に表示できるようになります。Webフォントライセンスには、ページビュー数やユニークユーザー数、フォントを使用できるドメイン数などに制限が設けられる場合があります。
商用ライセンス.
広告、ブランディング、製品パッケージなどの商用プロジェクトでフォントを使用する場合は、商用ライセンスが必要です。これらのライセンスには、許可されるユーザー数やデバイス数、使用範囲(印刷、Web、モバイルなど)に応じた制限があります。
デスクトップライセンス.
デスクトップフォントは、デザインソフトウェアやワードプロセッサなど、デスクトップアプリケーションでの使用を目的としてライセンスされています。デスクトップライセンスでは、特定のコンピューターやデバイスへの使用を制限したり、プロトタイプや個人制作物を作成できるユーザー数を定めている場合があります。
アプリケーションライセンス.
モバイルアプリケーションで使用するために設計されたフォントには、多くの場合、特定のライセンス条件が設けられている場合があります。例えば、インストール数が制限されたり、特定のアプリ内での使用に限定されたりするケースです。
フォントの埋め込み.
部のライセンスでは、フォントの埋め込み(ドキュメントやファイル内にフォントファイルを埋め込むこと)が許可されています。これらのライセンスでは、埋め込みが可能なファイル形式や使用条件が制限されている場合もあります。

フォントライセンスを譲渡するにはどうすればよいですか?
フォントライセンスの譲渡とは、ライセンス契約に基づいて付与された権利や許可を、現在のライセンス保持者から別の個人または組織へ移転することを意味します。具体的な手順や要件は、フォントのライセンサーが定める契約条件によって異なります。
フォントライセンスを譲渡する際に行うべき基本的な手順は以下の通りです。
ライセンス契約を確認する.
ライセンス契約書に、譲渡に関する制限事項や条件が記載されていないか確認してください。ライセンスの譲渡可否、譲渡先として認められる条件、および事前に必要な手続きなどに特に注意してください。
ライセンサーに連絡し、許可を得る
フォントのライセンス譲渡手続きについては、フォントのライセンサーまたは正規代理店にお問い合わせください。ガイドラインや用意すべき書類など、必要な情報を提供してもらえます。
その後、譲渡を進めるためにライセンサーの許可を得る必要があります。場合によっては、譲渡手続きを開始するために書面による同意や正式な申請が必要とされることもあります。
譲渡先を特定する.
フォントライセンスを受領する側(譲渡先)が、ライセンサーの求める条件を満たしているか確認してください。また、その譲渡先がライセンスで定義されている使用目的(個人利用または商用利用など)を正しく理解していることも重要です。
譲渡内容を文書化する.
ライセンス譲渡の詳細を記載した契約書または文書を作成します。フォント名、バージョン、譲渡される具体的な権利内容などを明記し、現在のライセンス保有者(譲渡者)と譲渡先の両方が署名して、譲渡を正式に承認する必要があります。
ライセンサーに譲渡完了を通知する.
ライセンス譲渡が完了したら、ライセンサーにその旨を通知し、すべての関連文書を提出してください。ライセンサーは、記録の更新と譲渡の有効性の確認のため、譲渡契約書およびその他の関連文書の写しを要求する場合があります。
記録を更新する.
これらの手順はあくまで一般的なガイドラインです。フォントライセンスの譲渡に関する具体的な要件は、フォントのライセンス契約によって異なる場合があります。可能であれば、弁護士など法律の専門家に依頼して、内容を確認してもらうことをおすすめします。
これらの手順はあくまで一般的なガイドラインです。フォントライセンスの譲渡に関する具体的な要件は、フォントのライセンス契約によって異なる場合があります。可能であれば、弁護士など法律の専門家に依頼して、内容を確認してもらうことをおすすめします。
フォントライセンスの費用はいくらですか?
フォントライセンスの費用は、以下のようなさまざまな要因によって異なります。
フォントの種類.
オープンソースフォントは無料であり、使用制限も最小限に抑えられています。ただし、無料フォントは選択肢が限られており、後々問題を引き起こす可能性があります。一方、プロフェッショナルにデザインされた高品質な商用フォントは無料ではありませんが、デザインのクオリティを高める優れた書体が手に入る安心感があります。また、充実した文字セットやカスタマーサポートも付属しています。
使用範囲.
フォントの用途によってもコストに影響します。個人使用のみに制限されたフォントは、一般的に商用ライセンスのフォントよりも安価です。商用ライセンスは、使用ユーザー数やデバイス数、フォントが使用される場所などの要因に基づいて、異なる価格体系が設定されている場合があります。
ライセンスの期間.
ライセンスの使用期間によっても価格は異なります。中には、一度購入すれば永続的な使用ができる買い切り型のライセンスもあれば、サブスクリプションモデルを採用し、定期的な支払いが必要なライセンスもあります。
ファウンダリまたはデザイナー
定評のある著名なタイプデザイナーやフォントファウンダリは、経験豊富な専門家が丹念にフォントを制作しているため、価格が高めになることが多いです。より手頃な価格のフォントをお探しの場合は、独立系デザイナーや小規模なファウンダリによるフォントも選択肢に入れてみてください。
追加機能とサポート.
部のフォントライセンスには、異なるウェイトやスタイルのバリエーション、拡張文字セットなどの追加機能が含まれており、それが価格に反映されます。また、テクニカルサポート、カスタマイズやコンサルティングなどの追加サービスが含まれている場合も、それに応じた価格が設定される場合があります。
フォントの選択肢やライセンスモデルは多岐にわたるため、フォントライセンスの価格帯を一概に示すことは困難です。ご興味のある特定のフォントについて価格を確認するには、信頼できるフォントマーケットプレイスやフォントファウンダリのWebサイトをご覧いただくか、タイプデザイナーや販売代理店に直接お問い合わせいただくことをおすすめします。また、フォントライセンスの条件や価格は変更される可能性があるため、常に最新の情報を確認することが重要です。
ライセンスを取得せずにフォントを使用すると、どうなるのでしょうか?
必要なライセンスを取得せずにフォントを使用すると、フォント制作者の知的財産権を侵害する可能性があります。フォント制作者またはその代理人は、著作権侵害を主張する権利を有しており、フォントの使用を直ちに中止するよう求められる場合があります。その場合、すべてのブランドアセットを最初から作り直さなければならなくなるでしょう。
最悪のケースでは、金銭的な罰則を含む、損害賠償責任を問われる可能性があります。
フォントの無許可使用は、法的な問題だけでなく、ブランドの価値にも損害を与える可能性があります。フォント制作者が、フォントを無許可で使用していることを発見した場合、著作権侵害を公に指摘される可能性があり、ブランドの信頼性を損なうことにもなりかねません。こうしたネガティブな評判は、パートナーシップや収益に長期的な悪影響を及ぼす可能性があります。
フォントのライセンス管理をもっと簡単にするにはどうすればよいですか?
使用しているすべてのフォントが適切にライセンスされていることを確認するのは、煩雑に思えるかもしれません。しかし、朗報です。膨大な書類に埋もれたり、管理作業に膨大な時間を費やしたりすることなく、これを実現する方法があります。
Monotype Fontsのサブスクリプションモデルなら、フォント運用のあらゆるプロセスを効率化します。
25万以上のフォントにアクセスし、自由にモックアップを作成可能.
25万書体を超える豊富なフォントコレクション(現在も増加中)から、あらゆるプロジェクトに適した書体を見つけることができます。Monotypeおよび提携ファウンダリが提供する高品質なフォントを幅広く取り揃え、必要に応じてプロトタイプやモックアップにご利用いただけます。
ライセンス管理をもっとシンプルに.
Monotype Fontsのすべてのプランには、あらかじめ包括的なライセンスが含まれています。使用フォントごとのライセンスを個別に管理する必要はありません。用途に合ったサブスクリプションプランを選択すれば、管理する必要があるのは、たった1つの契約書だけです。
Monotypeのライセンスは、個人プロジェクトから商用利用、Web埋め込み、アプリへの統合まで、さまざまな使用シーンをカバーしています。これにより、選択したフォントをさまざまなメディアやプラットフォームで安心してご利用いただけます。また、カスタマーサポートも利用できるため、コンプライアンスに関して不明な点があれば、いつでも簡単に確認できます。
定期的なアップデートと新作フォントのリリース.
ダッシュボードから、世界有数のフォントファウンダリによる新作フォントのリリースに即座にアクセスできます。タイピングしながらフォントを試し、最新トレンドの書体をプロトタイプに取り入れることができます。
直感的に使える管理画面.
Monotype Fontsの直感的なインターフェースは、フォントライセンスの管理を簡単にします。ライセンスを取得したフォントを確認・追跡し、使用状況を把握したり、必要に応じて調整や追加を行うことができます。

Monotype Fontsはフォントライセンスの管理を効率化し、クリエイティブな制作に集中できるようにします。サブスクリプションページにアクセスして、ニーズに合った最適なプランをお選びください。